【Excel】データ分析してみる⑥【標準偏差と偏差値2】

スポンサーリンク





前回、標準偏差と偏差値がどのような値かというのを書きました。

今回はその続きを書いていきます。

標準偏差の使い方
標準偏差はデータのバラつきを表す「指標」と書きました。この指標が指す値には他にもあり、このバラつきの指標の事を「散布度」と言います。
散布度は「標準偏差」以外に「平均偏差」「分散」「範囲」「四分位範囲」があります。(他はそのうち出てくるかと)

「バラつき」の異なる2つのデータを比較する

小テスト(10点満点)の採点結果
A組(10人)の得点
2、3、3、4、4、5、7、7、7、8
平均値=50÷10=5(点)
B組(10人)の得点
3、4、4、5、5、5、6、6、6、6
平均値=50÷10=5(点)

上のデータを見ると、A組もB組も平均値は「5」です。しかし、A組は平均値に対して高い点や低い点があります。一方のB組は、平均点に近い点が多いです。このことからA組とB組では”バラつき”が異なっていると言えます。

そこで注目するのが”バラつき”の指標(散布度)のひとつである「標準偏差」です。

「標準偏差」と「平均値」を表す記号
数学とかでもそうですが、大体こういう値にはそれを表す記号があります。(πとかΣとかあんなのです。)
「平均値」を表すμ(ミュー)
平均値は英語で「mean」。その頭文字の「m」のギリシャ文字が「μ」です。
A組とB組の平均値を表すとこうなります。
A組の平均値 μA=5
B組の平均値 μB=5
「標準偏差」を表すσ(シグマ)
標準偏差は英語で「standard deviation」。その頭文字の「s」のギリシャ文字が「σ」です。
標準偏差はデータの”バラつき”を表す値で「σ」で表現します。平均値「μ」、標準偏差「σ」ともに右下に添え字をつけることで、異なるグループの平均や標準偏差を表すことが出来ます。
平均値「μ」と標準偏差「σ」を使ってA組のデータを表す
A組の平均値  μA=5(点)
A組の標準偏差 σA=2(点)
標準偏差の使い方① 平均値から「どれくらい離れているのか」を表す。
A組のデータは、平均値「μ=5(点)」と標準偏差「σ=2(点)」を用いると次のように表すことが出来ます。

“バラつき”は「平均値に対して標準偏差で何個分はなれているか」で表現します。
例えば「3点」は平均値(μA=5点)に対して「標準偏差(σA=2点)1個分低い」と考えることが出来ます。これを「μAA」と表記します。
同様に「7点」は「標準偏差1個分高い」と考え「μAA」と表記します。
標準偏差の使い方② 標準得点を求める。
3点と7点は標準偏差何個分離れているかを上の①で求めました。では他の点、例えば「8点」は標準偏差で何個分離れているのでしょうか?
それは、まず得点から平均値を引き(何点はなれているか)、次に標準偏差で割る(何個分)ことで求めることが出来ます。
(データ-μA)÷σA = (8-5)÷2=1.5
8点は平均値から標準偏差1.5個分高い」事が分かります。この「データから平均値を引いて、標準偏差で割る」ことで求められた値を「標準得点(z得点)」と言います。
 
標準偏差の使い方③ 偏差値を求める。
偏差値は、平均値を「50」として、ある値が平均値より上か下かを示す指標です。標準得点を用いて次の計算式で計算します。
A組の8点は標準得点が1.5だったので
偏差値は50+1.5×10=65となります。
B組も同様にそれぞれの値を求めて纏めたものが次の表です。

A組、B組ともに平均値は「5」だったけれど、”バラつき”の指標の標準、偏差が違うことで同じ「3点」でも偏差値は低くなってしまいます。

標準偏差が表す「データが平均値からどれくらい離れているか」の指標が、同じ平均値の2つのデータの違いを比較するのに役に立ちそうです。

スポンサーリンク
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。